平成12年度学術大会 抄録集

平成13年5月20日 秋田パークホテルにて

 

DICOMシステム4年間の使用経験                       大村 知己(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター)


リハセンにおけるfunctional MRI                        熊谷 和子(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター)


RISM-2000XPのSPECTにおけるOS-EM法の検討             佐藤 亜結子(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター)


「オーダリング4年間の使用経験」                        吉田 円(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター)


肩回旋筋腱板断裂におけるMRI撮像断面の検討              小野 要(町立羽後病院)


照射野外の体内散乱線分布について                     佐藤 亘(公立角館総合病院)


当院に於けるCTのコストパフォーマンスについて              小館 朋子(公立角館総合病院)


ポータブルX線装置による散乱線分布について                丹 清彦(山本組合総合病院)


不安定狭心症における123I-BMIPP心筋シンチグラフィーの有用性    鎌田   (市立秋田総合病院)


I・I輝度変化と保守管理                             加藤 守(秋田県成人病医療センター)


レノグラムシンチの投与量算出について                   大阪 肇(秋田県成人病医療センター)


全身電子線照射方法の検討                          小畑 学(大館市立総合病院)


増感紙感度補償フィルターの作成                      牧野 達也(大館市立総合病院)


『乳房用腹臥位ステレオ針生検装置の紹介』                吉田 愛((医)明和会 中通総合病院)


全肝 3D-Dynamic MRIの検討                        高橋 英樹((医)明和会 中通総合病院)


不整形照射野における各線量計算アルゴリズムの評価         佐藤 一治((医)明和会 中通総合病院)


『肩MR arthrographyにおけるTSE法T2WIの基礎的検討』         池内 和隆((医)明和会 中通総合病院)


当院におけるMRI検査の現状について                   照井 和幸(秋田赤十字病院)

 

 

 

DICOMシステム4年間の使用経験

 

                 秋田県立リハビリテーション・精神医療センター放射線科 ○大村知己 熊谷 和子 吉田 円 佐藤 亜結子 蜂谷武憲 高橋 栄治

 

 【目的】

当センターの放射線画像は、全てDICOM3.0規格で、CD-Rにデジタル保管している。システム導入後4年が経過したが、これまでの使用経験を報告する。

【これまでのトラブル】

システムは、過去4年間停電やシステムの不良によるシステムダウンなどの業務に支障をきたす大きなトラブルは無い。Y2K問題に対しては、99年10月に各モダリティ、オーダリングを含めた院内での予備テストを行い、誤作動やトラブルはなく正常に作動した。

【保守点検】

保守点検は保守契約により年に4回、定期的に行われている。ほかにシステムは電話回線によるリモ-ト点検も行われている。システムのシャットダウンは年1回の院内電気設備点検があるが、この際は保守点検の一部としてシステムの停止、起動をメーカーが行っている。

【システムの増設】

画像データを保管するCD-Rチェンジャーは、画像データの増加に従い容量が不足する。ワークステーションのハードディスクの劣化などに伴い、システムの増設又は更新を考える時期が来る。これに対する検討を考えているがCD-Rに代わりDVD-Rが主体となる。現在メーカーからの提案では、DVD-Rシステムの場合、 CD-Rシステムの約9倍の保管容量となる。これは現在までCD-Rに保存したデータも同一DVD-Rに格納することを含めている。設置スペースについては、CPU, CD-Rが新システムに置き換わるので、新たな設置スペースは必要としない。

【まとめ】

当センターのDICOMシステムは、過去4年間にトラブルがなく運用している。保守点検は契約により、定期的な保守点検、電話回線によるシステムのチェックなどにより、システムは問題なく維持されている。今後、画像データの増加、ハードディスクの劣化などにともない、システムの増設を考える必要がある。

 

 

 

リハセンにおけるfunctional MRI

 

                                秋田県立リハビリテーション・精神医療センター放射線科  ◯熊谷和子・大村知己・佐藤亜結子・吉田円・蜂谷武憲・高橋栄治

                                                    同リハビリテーション科    横山絵里子

                                岡崎国立共同研究機構 生理学研究所             定藤 規弘

                                福井医科大学高エネルギーセンター                岡田知久 

 

【目的】

functional MRI(fMRI)は脳の機能が亢進すると脳血流が増加し、代謝亢進部位でデオキシヘモグロビンが相対的に減少し周囲の組織に及ぼすわずかな変化をとらえ、画像として表示するものである。当センターでは平成12年より運動負荷によるfMRIを試みているので紹介する。

【方法】

負荷は、5指の手掌握運動を行っている。対象は、健常者については、ボランティア13名(24〜62才、平均48才)、脳梗塞などの患者10名(49〜72才、平均58才)である。fMRIの撮影条件は、FE系EPIでTR3000、TE50、FLP90、Mtr.64×64、NEX 1、Thickness 4mm、Gap 1mm、Slices 23、FOV 220、Scan timeは2分24秒である。小脳の中央から頭頂までを含むように撮像し、1Scan中Rest 2回、Task 2回繰り返し、これを右手2Scan、左手2Scan行う。MRI装置はGYROSCAN NT 1.5T。データはMOを介してWindows PCに転送し、SPMソフトで賦活部位を三次元表示する解析処理をし、結果を観察する。

【結果と結論】

5指手掌握の負荷に対する賦活が認められた。我々の場合、fMRIは機能訓練による機能回復度の指標あるいは機能訓練効果の判定等に利用できると考えている。fMRIのSPM解析処理のデータ転送に10時間余を要している。現用のMRI装置ではSPM表示が不可能でVersion upによりSPM解析の時間短縮を図り、臨床上の利用価値を高めたい。

 

 

 

RISM-2000XPのSPECTにおけるOS-EM法の検討

 

                                      秋田県立リハビリテーション・精神医療センター  ○佐藤亜結子、熊谷和子、大村知巳、吉田 円、蜂谷武憲、高橋栄治

 

【目的】

PRISM-2000XPのOS-EM法画像再構成についてFBP法との比較、検討を行った。

【使用機器とOS-EM法】

γカメラは二検出器回転型PRISM-2000XP、低エネルギー高分解能ファンビームコリメータ (HRFAN) を使用し、収集は5度Step180度収集である。ストリーキングアーチファクトの検討には、分解能円柱プールファントムを使用した。PRISM-2000XPのOS-EM法はStep収集にのみ対応し、Subsetは16回の固定でIteration回数のみ可変である。

【方法】

分解能円柱プールファントムを用いたホットスポットによるストリーキングアーチファクトの検討は、OS-EM法とFBP法で比較した。Iteration回数と画像の検討は、脳血流SPECT画像と心筋SPECT画像でIteration回数を可変して比較した。収集時間と画像の検討は、脳血流SPECTを20、10、5分で収集し、比較した。OS-EM法の処理時間の検討は、スライス数とIteration回数で比較した。

【結果】

分解能円柱プールファントムを用いたストリーキングアーチファクトは、OS-EM法では、Iteration回数によらず、改善した。脳血流、心筋SPECTでは、Iterationを可変しても、OS-EM法とFBP法で画像の差はなかった。 OS-EM法の収集時間の検討は収集時間が短いほど、画像は悪化した。 OS-EM法の処理時間は脳血流SPECTでは、Slice数、Iteration回数が多いほど時間を要した。Iteration4回の場合、MatrixSize64×64では約7分、MatrixSize128×128では約47分要した。

【考察】

PRISM-2000XPの現在のOS-EM法は、現時点ではFBP法に比べ脳血流、心筋SPECTでは、画像の差はない。現在インスト-ルされているOS-EM法はスライス数とマトリックス数が多くなると再構成時間が長くなるため高速処理化が望まれる。

 

 

 

「オーダリング4年間の使用経験」

 

                                       秋田県立リハビリテーション・精神医療センター 〇吉田 円、熊谷和子、大村知巳、佐藤亜結子、蜂谷武憲、高橋栄治

 

1. 【目的】

当センターがオーダリングシステムを導入して4年経過した、特に放射線検査関係のオーダリングシステムに関し、これ迄の使用経験を報告する。

2. 【特徴】

当センターの放射線検査におけるオーダリングシステムは、FCRと連結している点が大きな特徴である。医師の検査指示が端末から入力され、放射線科プリンターに指示箋が発行される。端末で検査受付操作を行うことにより、患者情報(HIS)と検査指示内容がCRのIDTに表示され、放射線医学情報(RIS)より撮影部位の撮影条件がX線操作卓に表示され、即撮影体制になるものである。撮影後実施入力を行う事により、条件が書き込まれた照射録が出力される。

3. 【トラブル】

次の2種類のトラブルが発生している。

 3.1)オーダリングとFCRが連結しなくなる現象である。通常、放射線科端末で検査受付を行うとゲートウエイを介してFCRに患者データ、撮影データが伝わるが、このトラブルが発生すると、FCRにデータが伝わらないため、IDカードを使ってオフラインで撮影する事になる。このトラブルは年に約15回発生している。最近次第にエラーが多発し、ゲートウエイのHDの損傷が判明し交換した。

 3.2)検査後の実施入力はされるものの、端末の画面上未実施の状態で検査が終了していない事になっている現象で、年に10回発生している。原因は調査中で、対応はその都度委託業者の人が行う。しかし照射録は、いずれのトラブルに関係なく通常通り出力される。

4. 【保守管理】

オーダリングの保守管理は委託契約で、センター内に常勤1名がおり、常時トラブルに対処している。プログラム修正・追加、電気設備点検等により、システムを停止する時が何度かある。

5. 【照射録】

オーダリングの照射録の医師の氏名の印字は、医療法上署名と認められないため、医師の署名か印鑑による捺印が必要となる。当センターでは照射録は一旦病棟に送り、署名、又は捺印を得てから放射線科に返送する方法をとっているが、オーダリングシステムでは印字のみでも認められるような法の改善が必要であると考えられる。

6. 【まとめ】

トラブル対処に、委託常勤者は必要。また、トラブルに対しては直ちに復帰があるとは限らないため、当センターではトラブル対応に手書きの照射録も準備している。オーダリングの照射録の署名に対し法的改善が必要であると考えられる。

 

 

 

肩回旋筋腱板断裂におけるMRI撮像断面の検討

 

                                                      町立羽後病院 ○小野 要 中野 芳久 岡固 正

 

【はじめに】

 一般に肩関節のMRIは、軸射像でとらえられる肩甲骨関節窩が基準となって、これに平行なスライス面で斜位矢状断像が作成されている。しかし関節窩で位置合わせした場合、上腕骨に回旋が生じると腱板が異なった画像として描出されてしまう問題がある。したがって、関心領域が上腕骨側にある場合、再現性のある画像を得るためには従来の関節窩ではなく、上腕骨側を基準にした撮像が必要となる。上腕骨大結節には superior facet (SF), middle facet (MF), inferior facet (IF)の3つの腱板付着面が存在しており、これらのfacet をどのように描出するかによって撮像の方法が異なってくる。本研究の目的は、上腕骨大結節の facet をもっとも明瞭に描出できるMRI斜位矢状断像の至適撮像法を明らかにすることである。

【方法】

系統解剖用屍体5対5肩を対象として、はじめに軸射像を用いてコッ頭中心と結節間溝を結ぶ base line を画面上に作成し、 base line に対して40°、50°、60°の角度をなす斜位矢状断像を撮像し、facet が最もよく描出されたスライス面を用いて、画像上のSF と MF の長さを計測し、屍体骨における実測値と比較した。

【結果】

MRI上の計測値を屍体肩の実測値に対する%で表すと、base line とのなす角度が40°の撮像では、SF が103.8%、100.7%であったのに対し、50°60°の撮像では MF の計測値が小さくなっていく傾向がみられた。

【考察】

腱板断裂においては、断裂サイズが同じでも棘上筋腱断裂と棘下筋腱断裂とでは、肩関節機能に及ぼす影響が異なることから、断裂肩は断裂サイズではなく、断裂腱によって評価する必要がある。また、断裂腱評価は腱付着部で行うべきであり、その際上腕骨側に置いたbase lineと40°の角度をなす斜位矢状断像が至適撮像方であると考える。

 

 

 

照射野外の体内散乱線分布について

 

                          公立角館総合病院放射線科  ○佐藤 亘  相模 司  草薙 素啓  照井 正好  加羽 馨  小館 朋子

 

【目的】

1. 体内の照射野外からの側方散乱線の分布を知る 2. 照射野から5cm離れた体内臓器の被爆はどうなのか検証する

【機器】

 装置:Toshiba KXO‐80G  管球:Varian A‐192  フィルム:HR‐S  ファントム:アクリル30×30cm2・TCT用水ファントム(CT用)  測定器:Fuji Densitometer 301 RS

【方法】

1. 距離法を用いて、フィルムにおいてLogH=0.2の11ステップのH‐D曲線を求める。以下このH‐D曲線から線量変換して求めるグラフを表示する。 2. 照射野外の体内散乱線分布を特定の電圧(70kV)の1cmの距離での位置でのフィルムの散乱線をファントム表面からの深さの分布を求める。 3. 照射野外の体内散乱線分布を管電圧ごと(50,70,90,110kV)の、照射野からの距離による最大散乱線を入射位置での空中線量を1.0に基準化した割合を表示する。 4. 照射野ごと(30×30,20×20,15×15,10×10)の照射野から1cmでの照射野外の最大散乱線割合を30×30cmの線量を1.0に基準化して示す。 5. 当院のCT装置における照射野外の体内散乱線を照射野から10mmスライス厚での最大散乱線と中心の散乱線の割合分布を表面入射線量を1.0に基準化して表示する。

【結果】

1. 管電圧ごとの照射野外の散乱線割合は50kVと70kVでは近似し、90kVと110kVでは近似し50kV70kVよりも若干は割合が高いものの総じて照射野から3cmの距離ではゼロの近くへ収束する。 2. 照射野の依存性は面積に依存して小さくなる。30×30cmの約半分の面積の20×20では80%、4分の1の15×15では65%、9分の1の10×10では約半分となる。 3. CTにおいても中心の散乱線量は一般撮影と同じ分布曲線となる。しかし、最大散乱線量は中心線量の2倍位になるが、5cmになると急速にゼロに収束する。

【結論】

 一般撮影、CTにおいても照射野から5cmも離れた位置の臓器の被爆線量はこよなくゼロに近くなる。よって、照射野は撮影ターゲット部分にのみ十分絞り込んで撮影することが第一選択の被爆を少なくする最適化と結論づけられる。 

 

 

 

当院に於けるCTのコストパフォーマンスについて

 

                                          公立角館総合病院 放射線科  ○小館 朋子  相模 司  草薙 素啓  照井 正好  加羽 馨  佐藤 亘

 

【目的】

 当院で使用しているCT(東芝Xpeed)装置のコストパフォーマンスを調べる。

【方法並びに結果】

 @)調査期間は、平成12年1月〜12月までとした。  A)1ヶ月あたりの金額で揃え、1000円未満は四捨五入した。  B)月平均の部位別検査件数及び同検査収支を試算並びに調査した。ただし、支出の内訳は、[CT管球代及びメンテナンス代、人件費、電気代、薬品代、光ディスク代、その他]とした。

  ○部位別検査件数(全体・・・342.33件/月  頭部CT・・・161.45件/月  頭部CT(重複)・・・58.72件/月  躯幹CT・・・115.40件/月 躯幹CT(重複)・・・6.27件/月  四肢CT・・・0.50件/月

 ○収入の内訳

 頭部CT・・・1800000円/月   頭部CT(重複)・・・352000円/月  躯幹CT・・・1546000円/月   躯幹CT(重複)・・・51000円/月  四肢CT・・・5000円/月  造影剤使用分・・・384000円/月  〈重複による損失分・・・335000円/月⇒収入の7.49%に相当する〉

○支出の内訳

 管球代及びメンテナンス料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・738000円/月  人件費・・・・・・・・・・500000円/月   電気代・・・・・・・・・・・74000円/月  薬品代・・・・・・・・・・・50000円/月   

 光ディスク代・・・・・47000円/月  CT伝票代・・・・・・・・11000円/月   その他・・・・・・・・・・・20000円/月

【収支決算及びまとめ】

    平成12年1月〜12月における       総収入:4138000円/月       総支出:1450000円/月    よって、(総収入)‐(総支出)=2688000円/月となり、現在の所、純利益は約2688000円/月となる。  このCTは平成2年に2代目のCTとして搬入され、リースはすでに終了している。また、今回の調査期間中での管球交換が1度しかなかったことや、メンテナンス料が普段と比べて少なかったために、このように利益が大きくなったものと思われる。この結果をもとに、今後、新しいCT装置購入等、検討していきたい。

 

 

 

ポータブルX線装置による散乱線分布について

 

                                                 山本組合総合病院中央放射線部  ○丹 清彦 平塚 昌延 安田 貞之

 

 【目的】

当院におけるポータブル撮影件数は増加傾向にあり、撮影の際患者家族から放射線に関する質問を多く受ける。このような質問に対し、自信を持って不安を与えない返答が出来るためにも散乱線分布の把握は重要である。そこで、ポータブル撮影における散乱線を測定し検討した。

【使用機器】

ポータブルX線装置:Sirius 125MX 日立メディコ ファントム:胸腹部X線水ファントムWAC型 測定器:450P型高感度デジアナ電離箱サーベイメーター

【実験方法】

撮影条件:胸部 60Kv/8mAs グリット (−) 腹部 80Kv/25mAs グリット (+) 測定点は、照射野と水ファントムの中心を一致させ、そこから50、100、150、200cmの点を測定点とした。生殖腺の位置を考え測定点の高さは85cmとした。

【結果及び考察】

1.胸部、腹部ともに頭尾方向に近づくにつれて散乱線量は減少した。 これは、水ファントムに吸収される割合が高くなったためと考えられる。 よって被曝線量を低減できる方向がわかった。

2.散乱線の水平方向(0o・180o)において左右差が生じた。 これは、ヒール効果が要因として考えられる。 3.ポータブルX線装置の防護板を立て、真後ろで撮影する事が望ましいと考えられる。

【結語】

散乱線量は、約200cm離れることによって1μSv以下となる。よって、人体に影響を及ぼす被曝線量ではなく、同室の患者家族を退室させる必要はない。これらのことを明確に医療従事者や患者家族に伝え、撮影することが必要である。

 

 

 

不安定狭心症における123I-BMIPP心筋シンチグラフィーの有用性

 

 

 

【背景】

BMIPP心筋シンチグラフィ−は急性心筋梗塞例において、虚血危険域の推測や救出された心筋の描出、代謝からみた気絶心筋の描出を可能とし、その有用性が示されている。狭心症例においても虚血のメモリ−イメ−ジングは可能であるが、急性心筋梗塞例ほど高頻度には異常所見を検出できず、またいかなる例において検出が可能か必ずしも明らかではない。

【目的】今回我々は、不安定狭心症例におけるBMIPP心筋シンチグラフィ−の有用性について検討した。

【方法】

対象はUCG、冠動脈造影、安静心筋シンチグラフィ−(TlCl/BMIPP dual SPECT)を施行しえた不安定狭心症45例である。UCGは入院時と発作の消失した安定期に施行し、安静心筋シンチグラフィーは最終発作から1〜10日後(平均4日)に空腹下で施行した。BMIPP(111MBq)を静注後30分、TlCl(111MBq)静注後10分にてSPECT像を撮像し、SPECT像を視覚的にスコア化を行った。

【結果】1)45例中25例(56%)にBMIPPの集積異常が認められた。2)BMIPPで異常を示した群では、20分以上持続する発作を呈した例は15例(60%)で、BMIPP正常群に比し有意に多かった(p<0.05)。また安静時発作の有無や発作回数、ST上昇発作例の有無とは関連が認められなかった。3)今回の検討では、最終発作から撮像までの時間とBMIPPの集積異常との関連は明らかではなかった。4)BMIPPで異常を示した群では、器質的病変例は19例(76%)、一過性の壁運動障害を呈した例は20例(80%)、血行再建術を要した例は15例(60%)でいずれも有意に多かった(p<0.01)。

【結語】不安定狭心症において、安静BMIPP心筋シンチグラフィーは虚血の重症度を反映し、治療方針決定の有用な指標となる。

 

 

 

I・I輝度変化と保守管理

 

                               秋田県成人病医療センター 放射線科  ○加藤守  土佐 鉄雄  三浦 勝昭  大阪 肇  藤本 吉弘  佐々木正文

 

 【背景】

血管撮影装置において、システム(I・I、撮像管、TVモニター等)の劣化が撮影線量の増加に大きく関与している。特にI・Iの劣化はX線による使用劣化と経時的な自然劣化がある等、その大部分を占めている。当センターの循環器撮影装置のI・Iは交換を行ってから4年が経過した。I・I輝度が低下し、その分撮影線量が増加し、同じ検査・治療を行ったとしても、設置時より患者・術者の被ばく線量が増加しているものと推測される。

【目的・方法】

O メーカー側で行っている保守管理データから、I・Iの輝度変化及び撮影線量の変化について考察する。 O ユーザー側の保守管理として、ファントムをAuto撮影し、その時の撮影条件を経時的に測定してきたが、この撮影条件とI・Iの輝度変化及び撮影線量の関係を考察する。

【結果】

O I・I輝度は設置5年目の来年には相対輝度にして50%に低下すると予想され、撮影線量は設置時の2倍となり、患者・術者の被ばく線量増加が改めて危惧された。 O I・I輝度とユーザー保守管理時の撮影条件には有意水準0.05において負の相関が認められた。よって、撮影条件を経時的に測定する事で簡易的なI・Iの保守管理は可能と考えられた。

【考察】

I・I輝度低下に伴う撮影線量の増加に対し、アパーチャーサイズを変更する等で対応しているが、一方では画質の低下を招く為、この相反因子の克服には改めて調整の難しさを感じさせられた。 ユーザーサイドの保守管理において、ファントムを経時的に撮影する事で、撮影条件の変化からI・Iの劣化及び撮影線量の変化を予想でき、常に撮影線量を把握する事は、患者・術者の被ばく管理に有効と考える。

 

 

 

レノグラムシンチの投与量算出について            

 

                                         秋田県成人病医療センター 放射線科  大阪 肇、佐々木正文、藤本 吉弘、加藤 守、三浦 勝昭、土佐 鉄雄

 

【目的】

平成8年度学術大会において、我々が報告したGFR値の算出方法により、当院では再現性が良く、臨床上信頼性の高い評価が得られた。しかし、極稀少ではあるが、血管外漏出症例も経験し、その症例の算出に困難を要し、かつ算出したGFR値に疑問をなげかけられた場合もあった。そこで今回は、欠く事のできない投与前後のシリンジ測定データを用いず、投与量の算出が可能か検討を試みた。

【対象】

平成12年4月から平成13年3月までに施行したレノグラムシンチ症例のうち、男性の44例を対象とし、うちGFR値の正常群(GFR値:100〜130)は24例であった。今回は循環血液量の算出方法として、性別による小川等の方法を用いたため男性に限定した。

【使用機器・収集方法】

使用機器は、γ-カメラがGCA-7200A、解析装置はGMS-5500Aで、収集マトリックス64×64、コリメーターはLEHRを用いて行なった。 収集方法は、99mTc-DTPAを370MBq急速静注後、血流相2.0 sec × 30 frames、機能相5.0 sec × 31 frames、排泄相20.0 sec × 65 framesのdynamic収集をした。

【検討方法】

以上の連続収集画像から、@腎レベルを挟む大動脈上下二箇所のtime activity curveを積算及び減算したcount数とA通常のレノグラムカーブから血流相部を積算したcount数を求め、@Aそれぞれに対して循環血液量補正と腎の深さの減衰補正を行なって投与量を算出し、実入力投与量と比較した。

【結果・考察】

@ について、全症例-----相関係数 0.434、正常症例---相関係数 0.411 A について、全症例-----相関係数 0.713、正常症例---相関係数 0.602 レノグラムカーブの血流相部(A)からの算出では実入力投与量と有意な相関が認められた。

【総括】

今検討では循環血液量を性別で算出する小川等の式から求めたため、男性のみとしたが、血流相から投与量の算出が可能であることから、血管外漏出症例に対して捕捉的ではあるがシリンジ測定無しにGFR値算出が可能と思われた。今後は、性別、病態別の検討もしていきたい。

 

 

 

全身電子線照射方法の検討

        

                                           大館市立総合病院放射線科  ○小畑学 庄司 真 塩谷 弘一

 

【目的】

皮膚原発の悪性リンパ腫を対象とした治療方法として、全身に対する電子線照射を依頼され、当院における照射方法を検討し実施したので報告する。

【検討課題】

通常の放射線外照射装置を用いた全身照射を行うには、様々な制約がある。医師から提示された条件は、ピーク深5mmで全身の線量分布が均一であることであった。我々はこの条件を満たす照射方法を確立するために、次の課題の測定と検討を行った。 @ 大照射野の設定 A 線量計算データの測定 B 線量不均一の解消

【結果】

@ 十分な距離が得られない当院の照射室で、良好な平坦度をもつ大照射野を設定するには、2門照射法(50%つなぎ合せ)が適していた。また、この方法は患者の動きにも対応して いた。

A 期待するピーク深5mmの電子線エネルギーは4MeVであった。ただし、制動X線成分が通常より増加していた。 B 全身の均一な線量分布を得るために、6方向分割照射法を採用した。

 

 

 

増感紙感度補償フィルターの作成

 

                                                大館市立総合病院放射線科  ○牧野達也  塩谷 弘一  菅原 修

 

【目的】

 X線吸収差の多い部位の撮影を行う場合、一枚のフィルムに適正濃度で撮影することは困難である。そこで今回パソコンを利用して、カセットの中にカラープリンターで印刷したOHPシートを挿入し、簡単かつ安価に濃度補償出来るシステムを考案したので紹介する。

【使用機器】

 パソコン、インクジェットプリンター、OHPシート、テストチャートS-1 ITO X-RAY、マイクロデンシトメーター SAKURA PDM5、デンシトメーター SAKURA PDA15、Alウエッジ2mm20段、増感紙 KODAK LANEX250/LANEX MIDIUM、フィルム KODAK MXG/TMH

【方法】

 ワードの作図機能を用いて12色のカラーバーをOHPシートへ印刷し、これをバック側の増感紙とフィルムの間に挟み、管電圧50kv、70kv、110kvで曝射する。曝射した写真のそれぞれのカラーバーとフィルターの入っていない部分、ベースの濃度を測定し、濃度の減衰率を求め表にする。 補正を掛けたい写真の適正濃度部分と濃度過度部分を計測し減衰期待値を計算する。求めた数値を減衰率表から近い数値の色を探し感度補償フィルターをパソコンで作成する。

【結果】

○黒、紫、赤、青、プラム、薄い青、オレンジ、灰色50%、スカイブルー、緑、ライム、黄の順に減衰率は低くなった。濃い色や赤系統の減衰率が高く、薄い色や緑が低い数値であった。また電圧が上がるにつれ減衰率も上昇する傾向にあり、しかも濃い色や赤系統の色ほど減衰率の上昇が顕著であった。薄い色や緑は変化が少ない結果となった。 ○シートの画像への影響は、感度、コントラスト、鮮鋭度とも若干低下する程度であった。

【考察】

1.部位別専用フィルターを作成し、胸椎正面、胸腰椎移行部、マルチウス、足について撮影を行ったところ、濃度過度部分の効果的な補償が出来た。 2.このシステムを使うことにより、くさびフィルターやボーラスなど、厚さや材質の調整などに苦労することもなく、また高価な感度補償増感紙を買わなくとも、簡単かつ安価に効果的なフィルターの作成が出来る。 3.OHPシートはセンシトメトリーやMTFの測定結果から、読影に支障をきたすほどの影響は見られない。 4.OHPシートはサイズがA4版しかないので、フィルターの端や貼り付けのためのテープが写ってしまう。 5.OHPシートの増感紙への長期貼り付け時の色移りやシートの耐久性など、長期的な観察が必要である。

 

 

 

『乳房用腹臥位ステレオ針生検装置の紹介』

 

                                            (医)明和会 中通総合病院  ○吉田 愛  柏崎 由美子  池田 紀子  藤井 麻夕子  篠原 俊明

 

【はじめに】

近年乳癌の罹患率は増加の一途をたどり、胃癌を抜いて全癌の1位(女性)となっている。当院での乳房生検は、座位のステレオ撮影による色素注入で標識後、外科的切除生検を行っていた。平成13年3月、穿刺組織診断(マンモト-ム)を目的に、腹臥位乳房生検装置を導入したので紹介する。         

【導入装置】

腹臥位乳房生検装置 Lorad Multi Care(LORAD社)・デジタル スポット乳房撮影装置 Lorad DSM( LORAD社),マンモトーム時使用機器:コントロールモジュール・パワードライバー・11Gプローブ(ジョンソンエンドジョンソン)

【マンモトーム検査の特徴】

適応:非触知病変で、マンモグラフィーで石灰化が確認でき且つエコーで見えない病変。

目的:良・悪性の鑑別。

特徴:外科的切除生検が不要のため大きな傷が残らない。1ケ所の小さな穿刺で出来る。360度任意の方向を連続して採取することが出来る。傷の大きさは5mm程度で、縫合が不要となった。

【実際に使用してみての利点】

@シビアな撮影条件設定や現像処理時間がないので、患者をはじめ医師や看護婦を待たせずに次々と手順を進めていくことが出来る。A最大6個までのターゲットが計算でき最適なターゲットを選択出来るようになった。BC-アームが180度回転するため頭尾方向、内外斜位方向に限らず、どの方向からでも穿刺が可能になった。C座位で色素注入の検査を行っていた時とは違い、手技が患者に見えないので視覚的苦痛は和らいだ。

【問題点】

経済的問題点:プローブが高価であるうえ、保険対象になっていない。 時間的問題点:行程が増えたため色素注入に比べて圧迫時間が長くなる。 手技的問題点:小さい乳房、薄い乳房、胸壁付近の病巣では特に慎重な作業が求められる。

【まとめ】 

乳房は個人差が大きいため、マンモト-ム検査では熟練を必要とする。今後、数多くの経験を重ねて検査手技の向上と時間短縮を図っていきたいと思う。

 

 

 

全肝 3D-Dynamic MRIの検討

 

                                                    (医)明和会 中通総合病院  〇高橋 英樹、池内 和隆、篠原 俊明

 

【目的】

慢性肝疾患において肝細胞ガンの検出、診断には血流を評価できるDynamic Scanが不可欠である。当院で行っていた、2D multi slice法ではpartial volume effectを抑えたT1コントラストの良い画像がえられるが、TRの長さにより撮像枚数に制限がある。 また、スライス間に存在する病変を見逃してしまう可能性があった。そこで全肝をカバーでき、連続性の良い画像を得ることができる3D multi slice法の基礎的検討を行ったので報告する。

【使用機器】

Philips社製 Gyroscan ACS-NT 1.5T 自作ファントム Gd-DTPA希釈 0.1、0.5、1.0、1.5、2.0mmol/l、生理食塩水、olive oil、硫酸銅水溶液 パフォーマンスファントム(Philips社製)

【方法】

2D法と3D法で自作ファントムおよびパフォーマンスファントムを撮像し、Signal To Noise Ratio(SNR)、Enhancement To Noise Ratio(ENR)、Contrast To Noise Ratio(CNR)、spatial resolutionを求め、比較検討をおこなった。撮像条件;2D T1-FFE multi-slice TR/TE 195/4.0 FlipAngle 60゚FOV 350mm Matrix 128×256 slices 10 SliceThickness/gap 8/0.8mm ScanTime 18sec/phase, 3D T1-FFE TR/TE 8.1/2.5 FlipAngle 20゚〜60゚ FOV 350mm Matrix 179/256 slices 30 SliceThickness/gap 10/-5mm ScanTime 15sec/phase

【結果】

3D法でFlipAngleを20゚〜60゚に変化させると30゚で高信号を得ることができた。 3D法ではSNR、ENR、CNRいずれもFlipAngle20゚が高値であった。2D法と3D法の比較でSNRは2D>3DであったがENR、CNRは2D<3Dであった。解像度は、2D法より3D法のほうがすべてのFlipAngleで優れていた。

【考察】

3D法でSNRが低くなったのは、時間分解能を良くするためTRを短くしたからと考えられる。高濃度のGd造影剤は、T2短縮効果もあるが横磁化の定常状態を抑制し、T2の影響を排除するスポイラーを付加することで感度を高めることができた。また、TEをout of phaseに設定することで正常肝実質の信号強度を下げ、多血性病変とのコントラストを高めることができた。解像度が良くなったのは、ボリュームスキャンさらにはovercontiguous sliceで撮像しているためである。今回の検討からFlipAngleを20゚〜30゚に設定することで有用な画像が得られると考えられる。

 

 

 

 

不整形照射野における各線量計算アルゴリズムの評価

 

                                        (医)明和会 中通総合病院  ○佐藤 一治 小松 喜行 篠原 俊明

 

【目的】

当院の放射線治療装置には、MLCが取り付けられており、不整形照射野の設定が柔軟に行えるようになっている。不整形照射野の深部線量計算には、等価照射野を近似計算して求める方法があり、当院ではA/P法を用いて線量計算を行っています。今回A/P法等の近似計算法を再評価したので報告します。

【使用装置・器具】

放射線発生装置:Clinac-2100C(Varian社) 線量計:RAMTEC 1000D(東洋メディック社)電離箱:PTW Farmer-type30001(0.6cc 指頭形 東洋メディック社)ファントム:水ファントム(35×35×35cm3 東洋メディック社)

【方法】

(1)当院のTMR、FA表の精度を評価する。(2)TMRの測定は、不整形照射野に対して基準深及び5、10、15cmの深さで測定する。同一条件で各アルゴリズムを用いてTMRを求め、前後対向2門照射において設定深に近いと思われる10cmで比較評価する。計算精度は、実測のTMRを基準として各アルゴリズムのTMRとの差を%で求める。(3)FAの測定は、標準測定法に基づき不整形照射野のFAを求める。同一条件で各アルゴリズムを用いてFAを求め比較評価する。評価の方法は、TMRの場合と同様とする。

【結果】

(1) TMR、FAの精度を評価した結果、実測値と0.6%以内で一致した。(2)不整形照射野のTMRの近似精度は、A/P法の場合、最大誤差が4MVで-3.37%、10MVで-1.13%、A/Pe法では-2.19%、-0.72%、ARC法では1.42%、1.56%、M.D-EAC法では1.2%、0.55%、M.D-A/Pe法では-0.84%、-0.35%となった。(3)不整形照射野のFAの近似精度は、A/P法の場合、最大誤差が4MVで-4.09%10MVで-4.54%、A/Pe法では-3.12%、-3.67%、ARC法では1.21%、1.45%、M.D-EAC法では-0.61%、-0.86%、M.D-A/Pe法では-1.53%、-1.85%となった。

【まとめ】

(1)当院のTMR、FA表の精度は、0.6%以内で一致した。(2)複雑な不整形照射野で誤差が大きくまたA/P法、A/Pe法は過少補正傾向であった。(3)A/P法で一番誤差が大きく、M.D-A/Pe法を用いると4MVのX線は0.84%以内、10MVのX線は0.35%以内で近似できた。(4)不整形照射野のFAは、10MV、4MVのX線で全体的に過少補正傾向であった。(5)複雑な不整形照射野で誤差が大きくまたA/P法による補正を加えるよりは、Open Fieldの値を用いたほうの誤差が小さかった。(6)A/P法で一番誤差が大きく、M.D-EAC法を用いると4MVのX線は0.61%以内、10MVのX線は0.86%以内で近似できた。(7)M.D-A/P法、M.D-EAC法とも非対称照射野にも対応できるアルゴリズムである。

 

 

 

『肩MR arthrographyにおけるTSE法T2WIの基礎的検討』

 

                                               (医)明和会 中通総合病院  〇池内 和隆  高橋 英樹  吉田 愛  柏崎 由美子  篠原 俊明

 

【目的】

これまで、希釈G d-DTPAを用いた肩関節arthrographyに対しT1強調画像を提供していた。今回、生理食塩水を造影剤としたarthrographyに高速撮像法であるTSE(Turbo Spine Echo)法T2強調画像を用いた。TSE法のパルスシーケンスにおいて、ターボファクターは撮像時間短縮に威力を発揮するが悪影響も生ずる。そこで我々は、ターボファクターの増減が信号雑音比及び生理食塩水と脂肪のコントラスト比にどのような変化をもたらすのか調査した。

【使用装置

】MR装置:PHILIPS社製 GYROSCAN NT-5 0.5T 自作ファントム:生理食塩水、オリーブオイル、CuSO4・5H2O、2mmol/l G d 溶液 受信コイル:Body coil E1-coil C1-coil

【方法】

@各コイルにおいてターボファクターを3〜13と変化させファントムの信号強度を測定する。 Aターボファクターを一定にしてTR を変えた時のファントムの信号強度を測定する。 Bultra shot(エコースペーシングの最適化機能) on, off での信号強度を測定する。 CSE T2W 、FOV 150 mm 、 NSA (number of signal average) 3での信号強度を測定する。  DSNR (signal to noise ratio) と CNR(contrast to noise ratio)を求める。但し ROI1= signal intensity of CuSO4     ROI2= signal intensity of oil  ROI3= signal intensity of H2O     ROI4〜7= standard deviation of back ground SNR = ROI1/ average of ROI4〜7  CNR =(ROI3- ROI 2)/average of ROI4〜7とした。

【結果】

@SNRおよびCNRの比率は共に、E1コイル対C1コイル対Bodyコイルで、およそ4対2対1となった。 Aスキャン時間を半分にすると、SNRは30%、CNRは40%下がった。 BTR 2850から3300msecの範囲では、SNRおよびCNRに大きな変化は見られなかった。 Cultra shotのon, offではSNRおよびCNRに変化は見られなかった。 DTSE法のSNRはSE法のSNRより低かった。またターボファクターが7以下では、TSE法のCNRはSE法のCNRより高かった。 EFOV面積を19%縮小すると、SNRは18%、CNRは23%減少した。 F積算回数を2から3に増やすと、SNRは12%、CNRは10%上昇した。

【考察】

E1コイルはSNR、CNRともに良好だったことから肩関節に適していることが示唆された。同じ撮像時間ならターボファクターを低くして、積算回数を減らす方がよかった。今回のTSE法ではオイルの信号強度がそれほど上がらず、水とのコントラストが高いことから、生食を使った肩関節MR arthrographyに適していると思われる。 ファントム上のデータが直ちに臨床の適用になるとは思わないが、シーケンスを決定する際の判断に役立つものと思われる。

 

 

 

当院におけるMRI検査の現状について

 

   (放射線技師の役割から・・・検証と実践)

 

                                                                  秋田赤十字病院 照井和幸

 

 日放技より「放射線技師の役割と専門職のための教育基準」が発行され、その中の5章の「MRIにおける放射線技師の役割」を当院のMRI業務とその対応について比較検討した。始めに当院の現状について報告すると、年間の件数では平成11年度3253件、平成12年度3600件と上昇傾向にある。平成11年4月から開始された脳ドック検査の件数は平成11年度84人、12年度179人である。

 当院でこれまで起きた事故・ニアミスを上げてみると、大事故に繋がる可能性があることから小さなことまで数例あった。原因は、操作の不慣れや最終チェックを人任せにするなど、些細なことや油断で起こることが多く、事故を未然に防ぐには日頃より患者に対するスタッフの繰り返しのチェックや技師の検査内容の把握と装置取り扱いの習熟が求められる。また放射線安全教育訓練は法的にも確立されているが、MRIに対しても教育訓練の実施が望まれる。

 患者チェックと検査内容の説明は@主治医による問診A看護婦による着替え時B技師による入室直前のチェックの3段階で行っている。検査内容、装置の特性(音・磁気など)を説明し、より検査に協力を求めてもらっている。検査の注意書きと予約日時を書いた紙を患者に渡し、検査に対する心の準備をしてもらい、検査の注意書きは各部屋にも貼っている。安全性についてはMRI装置及び関連機器の点検表を作り、担当技師は項目にそって点検している。

 また当院では、平成12年4月に医療事故防止マニュアルが作成され、これを基に病院全体で医療事故を防ぐことに努めている。      

 

 最後に医療事故のほとんどはヒューマンエラーである。事故を未然に防ぐために我々放射線技師は、装置の性能や操作性の熟知、患者に検査への理解を深めてもらう説明をする事が必要である。